上品な英語 2015 5 24

 日本人は、世界で最も礼儀正しいと思います。
しかし、日本人が使う英語は、上品ではありません。

書名 日本人が「使いすぎる」英語
著者 デイビッド・セイン  PHP文庫

この本から文例を取り上げてみましょう。

「Sit down,please.」
 この英語は、よく母親が子供に対して使う言葉で、
他人に対して使う言葉ではありません。
 正しくは、「Have a seat.」と言うべきでしょう。
日本語では、「おかけください」という意味になります。

「It's expensive.」
 お店で、思ったよりも値段が高い時に、
このような言葉が出てくるのでしょうが、
これでは、あまりにもストレートに表現していて、上品ではありません。
 正しくは、「I can't afford it.」です。
日本語では、「高くて手が出ません」という意味になります。

「I hate fish.」
 レストランで、苦手な食材を聞かれて、
このように答えるかもしれませんが、
これは、子供が使う英語です。
日本語にすると、「魚、嫌い」となります。
 大人だったら、「I don't care for fish.」と言うべきでしょう。
「care for〜」は「〜が好き」という意味で、
ここでは、それを否定形で使っていますので、
「〜は、ちょっと苦手で」という意味になります。

「What is it?」
 お店で、「この商品は、なんだろう」と思った時に使うかもしれませんが、
日本語にすると、「何だ、これ?」という意味で、上品ではありません。
 店員に説明を求めるときは、
「Could you explain this?」と言うべきでしょう。

「Give me beer.」
 この英語は、自宅で使う分には問題ないかもしれませんが、
他人に使う言葉ではありません。
日本語にすると、「ビール、持ってきて」という感じです。
 正しくは、「Beer would be great.」です。
「would」は仮定法で、「ビールをもらえたら、とても、うれしい」という意味になります。

 なぜ、日本人は、上品な英語が使えないのか。
それは、中学校で、変な英語を覚えて、
高校生になると、大学受験のために、
難解な英文読解に集中して、
大学でも文献を読むというような状況ですから、
上品な英語を身に付ける機会がありません。
これは、私のことを言っているようなものです。
 外国人と英語でやり取りとしていると、
「婉曲な表現」や「遠回しな言い方」を上手に使っていると感じます。
 このような表現は、アメリカ人やイギリス人だけでなく、
英語を母国語としない人たちも、上手に使っています。
 私にとって、このような表現方法は、
学校では教えてくれませんでした。
自力で学ぶしかありませんでした。

日本人の英語 Engrish 2015 4 19

 日本人の英語は、何が問題か。
それは、上品な英語を使えないことである。
 世界中から、「日本人は、礼儀正しい」と言われるが、
日本人の使う英語は、礼儀正しいと言えないどころか、
はっきり言って「失礼な英語」が多々あると思います。
 たとえば、学校では、
「理由を聞くときは、Why + 疑問文を使う」と習ったかもしれません。
 具体的には、「Why did you come to Japan?」と教わったでしょう。
この英語は、大いに問題があります。
 これでは、相手に、警察官が被疑者に尋問をしているような印象を与えてしまいます。
日本語に訳すると、「どうして日本に来たのか。理由を言いなさい」という感じです。
 もちろん、入国管理の担当官が、不法入国が疑われる人に理由を聞くならば、
「Why did you come to Japan?」という表現でよいでしょう。
 正しくは、どう聞けばよいのでしょうか。
相手に理由を聞くならば、もっと婉曲的な聞き方をすべきです。
「What brought you to Japan?」ならば、相手に対して失礼にならないでしょう。
 東京オリンピックは、2020年開催です。
それまでには、上品な英語を使えるようにしましょう。

書名 もしもネイティブが中学英語を教えたら
著者 デイビッド・セイン  アスコム

 この本から気になる日本人の英語を引用していきましょう。
「I want something to drink.」
 これは、大変、失礼な言い方です。
主人が召使に言うならば、これでも問題ありません。
日本語に訳すると、「私は何か飲み物がほしい。だから持ってこい」というような感じでしょう。
 正しくは、謙虚な感じを出して、
「I'd like something to drink.」という表現にします。
日本語に訳すると、「何か飲み物がほしいのですが・・・・・」となります。
 ついでに、ネイティブに嫌われる英語をこの本から引用しましょう。
「I was sad when I heard the news.」
 この英語は、中学校では、よく教えている英語ですが、
何か変な英語で、あまり使われません。
人工知能を持ったコンピューターならば、こういう英語を使うかもしれません。
 このような表現は、ネイティブが嫌う、くどくどしい英語と言えるでしょう。
正しくは、「The news made me sad.」です。
実に、自然な英語になりました。
これならば、ネイティブにも好かれる英語です。
 2020年の東京オリンピックまで、まだ十分な時間があります。
それまでに、上品な英語を使えるようにしましょう。
何しろ、日本は「おもてなし(Omotenashi)」国家だからです。
(注)
 「English」を「Engrish」と書くと、
俗語で、「日本人の英語」という意味になります。
【語源】日本人は一般にRとLの区別が苦手(必ずしも冷笑的でない)
(「英辞郎」(アルク社)から引用)































































































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